2006年10月27日 (金)

うどんはうどん!

  さてさて、いまこちらは介護予防事業で「口腔ケア・栄養改善教室」が始まっています。参加者は8人。それぞれ個性のある楽しいメンバーです。京都祇園大学(どうやら芸者さんが教授らしい)出身者や、皇太子妃の遠縁中の遠縁、こんなに遠縁はいない方(ご自身いわく)や子どものころから1回も学校を休んだことはなく、いつも皆勤賞、「今回も当然狙っています。」という方などここは一体なに教室かしら?と言う感じです。

ちなみに、「口腔ケア・栄養改善教室」を簡単に紹介しますと以下のとおり。

目的: 特定高齢者を対象に、必要な栄養素を効率的に摂取するための知識および口腔内の清潔保持や摂食、嚥下等の口腔機能の維持・向上に関する知識の普及等を行うことで高齢者の食生活の自立および生活機能の維持・向上を図るとともに、高齢者の自己実現および社会参加につなげることを目的とする。

対象者:非要介護認定者であって、次の3項目の何れかに該当するもの

①     6ヶ月間で2~3キログラム以上の体重減少があり、BMI値が18.5未満である者

②     血清アルブミン値が3.5グラム/dl以下の者

③     半年前に比べて固いものが食べにくくなったと感じており、汁物やお茶でむせることがあり口の渇きが気になる者

教室の回数:14回

プログラム内容: 1.体調管理 2.軽運動 3.栄養講義 4.会食 5.口腔体操 6.口腔ケア講義となります。

とまあ、教室をご紹介すると、とっても固い感じですが、

先ほどご紹介したとおりメンバーが楽しいので教室は和やか。しかし、一番面白いのは、うちの事務局スタッフです。「自分にもためになるなあ。」と積極的に参加し、どのプログラムも一番張りきっています。そして、いつでも大真面目。

口腔体操の時の一コマです。

「この体操は一生懸命やると、唾液が良く出て、ごはんが飲み込みやすくなりますよ。」と歯科衛生士の講師。

すると、すかさず大真面目にくだんの事務局スタッフ

先生、今日はごはんじゃありません、うどんです。」

講師が苦笑いすると、通じなかったと思い、もう一度

先生、本日はけんちんうどんです。」

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2006年10月25日 (水)

サイエンス?アート?orマネー?

  「ケースワークの最高の価値は、クライエントのパーソナリティの成長にある」と言ったのはM・リッチモンド女史。また、M・メイヤロフ女史は著書『ケアの本質』の中で他者の成長を助けることとしてのケアとして次のように語っている。「ある人が成長するのを援助することは、少なくともその人が、何かあるもの、または彼以外の誰かをケアできることを援助することに他ならない。またそれは、彼がケアできる親しみのある対象を発見し創造することを、励まし支えることでもある。そればかりでなく、その人が自分自身をケアすることになるように援助することでもあり、ケアしたいという自分自身の要求に目を閉じず、応答できるようになることをとおして、彼自身の生活に対して責任を持つように彼を援助することである。」 この2つの言葉は、日々の仕事の中で、自分にとって大きな支えとなっている。  大それた援助などということはあまり思っても見ないけれども、ひとり一人の大切な人生に関わる職業として、いつも肝に銘じていることでもある。

 さて本題、どうも最近福祉に対するマイナスイメージが大きくなっているように思えます。「クローズアップ現代 介護職員が足りない」や、介護予防事業に対する否定的なマスコミ報道などによって、負の側面だけが強調され、これまであまり関わりがなかった人たち、新しくこの現場へ飛び込もうとしている人たちへの誤解が浸透してしまうのはいかがなものかと思います。人が行うことですから、どんな分野にも良質のものもあれば悪質なものもあります。福祉基礎構造改革によって、市場原理が導入され、一部福祉が産業化された今、良貨が悪貨を駆逐するまで待つという方法もあるのかもしれませんが、これまで、世の中の景況感などに左右されることなく実践を続けてきた方たちには大変浮かばれない事態であるように思います。実践現場の中では、市場原理が導入されたとはいえ、人に対する援助という事に極端に効率を求めることはおおよそそぐわないことは明白です。質を高めようとすれば当然基準以上の人員の配置は必要なわけですから、限られたパイの中で一人ひとりの給与が少なくなるのは当然の原理なわけです。経済的な部分は一朝一夕で変えられることではありません。しかも、私たちの本来的な役割は制度のないところであっても必要であればその課題を解決すべく道を作っていくことに他なりません。すると、どうしても実践が先、そしてそこに制度が追いつき、標準化が始まるという順番になり、計画的、予測的な経営ということと離れてしまうようにも思います。ところが、人の心に訴えかける数多(あまた)の実践を覗いてみると、何故か岐路に立つと必ずドラマティックに風が吹いてくるということが起こっているようにも思います。(非科学的ですが、サイエンス派ではなくアート派なので(笑))もう少し積極的に捉えてみれば、人を動かす実践、人を動かす熱意、人を動かす言葉と言うものが本質的に福祉には必要なのかもしれません。ですから決してマジックではなく「人間関係を作るアート」の中で起こってくるひとつの現象として捉えたほうがすっきりするでしょう。

 そう言えば、事業者という言葉に非常に居心地の悪さを覚えていたのですが、感覚的に福祉と経営ということの折り合いの悪さを感じていたからかもしれません。

 以上、ヘルパー講座で受講者と話していたときに「霞を食って生きられるわけではないから。」と言われ、もやもやとしてしまった気分を考察してみました。

 振り返ると、事業者として福祉産業に労働者としてスタッフを迎え入れることを管理者としては考えながら、福祉の実践者としては、志を忘れず共に成長していこうということを協働しながら伝え続けていく努力をしなければいけない。この二つを同時にクリアするという高いハードルを課せられているという認識にいたりました。

 とはいえ、人とふれあう中で、自分の知らなかったことに気づける毎日。世界の秘密を少しでも知るために(自分という枠の中で)探検をしているようで、エキサイティングですよ。

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2006年10月22日 (日)

生まれ変わり

イチさんとお会いしたのは、もうかれこれ10年以上も前になろうかと思います。

 最初にご自宅に訪問させて頂いた時、台所とつながっている4畳半の部屋にちゃぶ台を前にしてちんまりと座っている姿が目に映りました。なんともまあ味わいのあるおばあちゃんだなと思いました。頭をお団子にして、着物をはおり、肩に日本手ぬぐいをぶら下げて、ちょっと甲高い声で「よー、来てくれましたな。」と声をかけられました。ちゃぶ台の上を見てみると砂糖漬けの夏みかんと、梅干が乗っていました。「あんまり動かんから、こんなもんで充分。」とおっしゃいました。保健婦さんが「好きなものを食べているのが一番よ。でもお茶だけは、たくさん召し上がってくださいね」とやさしく声をかけるとニコニコと嬉しそうにしていました。柔和なお顔で静かに暮らしている様子が伺えました。

ところが、夜になると大変、せん妄状態になり、隣近所に「火が出た」とか、「変な人が来た」となぜか必ず包丁を持って押しかけどうして良いかみんな困っているとのことでした。そのせん妄状態は、痴呆症状(今でいう認知症)によるものだということを民生委員さんとともに隣近所の方達に説明して回り、近くに住むお孫さんに協力を得られることや、適切な医療機関に受診することなどを伝え、もうしばらくみんなで見守りながらイチさんの生活を支えていきましょうということを確認しました。

そのイチさん、1年半ほど近所の方の手助けやホームヘルパー、デイサービス、民生委員さんの力を借りながらご自宅で暮らしていましたが、夜間お手洗いに行くこともしんどくなってきました。もうそろそろ家で暮らすことも限界かなと思ったある日、ご自宅で転んで痛がっているという連絡をヘルパーさんから受けました。すぐにご自宅に行き、病院へ向かいました。横になれるようストレッチャーに乗っていただいたのですが、お顔をゆがめてはいても、痛いとはおっしゃいませんでした。病院について、イチさんをせーので診療台に移すとしかめていた顔がいつもの優しい顔になりパッと目を開きました。開口一番「ここは焼き場か?」若いお医者さんは「???」となっていましたが、「イチさん、まだ娑婆だよ。ここはまだ病院だからまたお家に帰ろうね。」と声をかけました。イチさんは「もう少し、おるか。」と答えてくれました。大腿部頸部の骨折はしていましたが幸い順調にリハビリも終え、特別養護老人ホームに入所することになりました。お家に帰ることはかないませんでしたがホームではそのお人柄でたちまち人気者でした。お孫さんもかわいい彼女を連れてよくホームに面会に来てくれていました。そして、イチさんのオムツ交換も手伝ってくれるようになりました。いつだったか、自分のところへ「私、おむつ交換しながら涙が出ちゃったの。」と言いに来ました。つらくなってきたのかなと思って先を聞いてみると、「においが目にくるってことがあること、はじめて知りました。」と目を丸くして報告されました。こちらは可笑しくて笑いをこらえていると「あれ、においもしてないのに涙が出そうだよ。」と言われました。イチさんの若かりしころの姿に出会っているような不思議な気持ちになりました。

                            

さて、10年も立つと時は流れるもので今では私が訪問したイチさんの土地にはあの孫夫婦の家が建っているようです

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2006年10月21日 (土)

文化の日を前に

113日、文化の日(ぶんかのひ)は、平和と文化を重視している日本国憲法が制定されたその日ということで、1948年に祝日法によって定められました。憲法改正論議がかまびすしく、北朝鮮情勢ではきな臭いにおいが漂い始め、世界の動向が心配になってきた今こそ、平和と文化を大切にすることが求められると思います。笹口健氏によれば「文化とは知恵、感性、知性、品性の4要素によって作り上げられてきた快適さを追求する社会的枠組みと定義付けられる」そうです。自分の身の回りの生活をひとつひとつ大事にしながらささやかだけれども平和と文化を大切にする心を日々育んでいきたいと思います。

と、そんなことを考えていたら「日本チェルノブイリ連帯基金」が読売国際協力賞を受賞したというニュースを知りました。旧ソ連ベラルーシのチェルノブイリ原発事故汚染地への医療支援と文化交流を目的に1991年から地道に活動してきた団体です。代表が「あきらめない」「がんばらない」で有名な鎌田實さんです。鎌田氏は1985年に起こった原発事故が人々から忘れ去られていた5年後の1990年に現地を訪れたそうですが、そのときに次のようなエピソードがあったそうです。

ゴメリの小児病棟では、会う子ども、会う子どもはみな白血病。しかも日本ではすでに治癒率が60%だったにもかかわらず、そこでは死亡率が90%にも上っていたそうです。あるお母さんが鎌田氏にすがりつきました。「次はこの子の番です。日本に連れて行って助けてください。」母親の涙に負けた鎌田氏が地元の医師に相談したところ「日本に行けば治るというなら、私たちに新しい医療を教えてください。私たちを信用して薬を送ってください。」と答えが返ってきました。そこから支援活動が始まったそうです。活動を続けてから10年目に「助けて、日本に連れて行って。」と訴えた母親に再会しました。その子は17歳になっていたそうです。

先日、鎌田實先生にお会いする機会がありました。と言っても、握手をしていただいただけですが、大きな身体で本当に優しい目をした方でした。肉厚のがっしりとした手から暖かさが伝わってきました。文化の日、次世代の子どもたちのためにも平和と文化についてかみしめたいと思います。さて11月3日は晴れの特異日とのこと皆さんは何をして過ごされますか。

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2006年10月20日 (金)

アイドル

蕗さんと初めて会ったとき、なんて上品なお方なのだろうと思いました。白魚のような色の肌にくりっとした大きな瞳、指には大きな指輪をしていました。

つい「おきれいですね。」と話しかけると

「もうおばあちゃんだから。」と顔をクシャッとさせました。

とってもチャーミングでした。

会話が弾み、最近のテレビの話になりました。

「私、ガクトが好きなの。だってきれいでしょ。」

「??そうですね。格好いいですもんね」

そうなの、でもいつもテレビに出ているわけじゃないから。」

(やっぱり、あのGAKCT)

「私、画面に写真を貼り付けてるのよ。」

Gackt2005_4_3

「はー、そうですか。」

「そしたらいつでもみられるでしょ。」なんて素敵な人でしょう。

しばらくして、若かりし頃の写真を見せていただきました。

Vivienk16_6

蕗さん、本当に綺麗、和製ビビアン・リーでした。

「昔の女優さんみたいですね。」と話しかけると

また「もうおばあちゃんだから。」とお顔をクシャ。

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2006年10月16日 (月)

恋文

 

ひょんなことから知り合った、私が敬愛していたおじいちゃん。今年の8月の半ばに逝ってしまいました。たった1年間のお付き合いでしたが、目のくりっとしたゼペット爺さんに似た可愛らしいおじいちゃんでした。惚けてしまい、娘さんも障害を持っていたため、小さなホームで暮らしていました。訪ねていくと、嬉しそうに社長付きの運転手だったときの話と娘の話、そして10年前に亡くなった奥さんの話の3つだけを繰り返していました。ホームで共同生活をしているおばあちゃん(やっぱり惚けている)が「あたし、あんたの連れになってもいいよ。」と言っても、手を左右に振って「だめだよ。」と笑いながら薬指を立てていました。一人の女性を生涯愛し続けた良い人生だったと敬服しております。
 

 入院したときから、八十を超えたお兄さんが「お盆のころに奥さん迎えにくるんじゃあないの。」と言っていましたが、まったくそのとおりになりました。これからまた、夫婦で仲良くね。

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2006年10月15日 (日)

千里同風

 

 咄々々(とつとつとつ)とは驚きと感嘆の混じった声のことです。 そうそう、「あら まあ」といったくらいの声です。 日々、小さな驚きと感動を味わいたいなという想いでブログのタイトルにしてみました。新たに人と出会い、新しいチャレンジを行うことで新鮮なエネルギーが生まれます。ホッとした日常を綴ってみたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 

 閑話休題

 

 さて、このブログを立ち上げるもうひとつの動機として、士業ブログに社会福祉関係の方がほとんどみあたらないという事があります。社会福祉も構造改革の波にさらされ、大きな変化を起こしました。そして、今年は介護保険制度の大幅な改定や自立支援法の制定でゆれている現場の方も多いかと思います。毎日休みもなく、夜も遅くがんばり続けているたくさんの仲間にエールを送りつつ、新たに仲間になろうとしている学生たちにも魅力ある仕事だよとお伝えしたいと思います。目立たないけれども、確実に人に地域に社会にやさしいかかわりを続けているたくさんの人たちがいます。ささくれ立った感情が表に出ることが多い社会になりつつありますが、優しさの連鎖を求めて…。コメント歓迎です。

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